新しいものでは担えない価値
昔の人は古材をよく使っています。知らない人はこれを資源がなくなって使っているのではないかとか、財政的に困ったのではないかと考えますが、それは違います。伐採して乾燥させても若い木はまだわがままで、癖が消えません。樹齢1000年の木であれば1000年の癖がついています。木は長い時間をかけて収縮します。良い大工であれば、新しい木よりもこういう落ち着いた木を使いたいというのが本音だと思います。古材はそういう癖が抜けて、率直ないい木になります。木肌が落ち着いて、柔らかさが出て、それでいて品のいい色気をかもし出す、そういう良さが古材にはあります。日本の工芸品は漆を塗るものが多いですが、これが新しい材を使うと、水分が残っているため時間がたつと、その水分で腐ってきます。古い材を使用すると、水分が抜けているため、肌が滑らかで、ぎすぎすしなくて漆のつきが非常に良くなります。このように新しいものでは担えない価値が古い材にはあります。
1. 日本風土と建築物
1-1. 高温多湿な日本
1-2. 現代建築の憂い
2. 素材へのこだわり「木の話」
2-1. 日本の森
2-2. 木の癖
2-3. 古い材は宝もの
2-4. 木のサイクル
3. ご提案
3-1. 修復・再生の必要性
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