日本の気候や風土に培われて育ってきた建築技術が忘れ去られた建築物
戦後、建築基準法が制定され、その制限一杯の中で利益の追求をしなければ建築物の価値がなくなってしまい、合理的主義が矢おもてに立ち、建築物が耐久消費財として扱われるようになりました。このような状況の中で、木造建築物は20年~30年保てば良いというような事態になっています。鉄筋コンクリート造りにおいても、減価償却期間が60年と定められておりますが、商業用建築物も居住用建築物も30年たてば古い物になってしまい、特にマンションは30年物の売買がままならぬ状況になっております。
淡路・阪神大震災に於いてツーバイフォー工法の耐震力は強度的に充分に実証されたように聞いておりますが、ツーバイフォー工法自体が日本に導入されて日が浅いため、日本の高温・多湿な気候風土に合うのかはまだ疑問が残ります。しかし、耐久消費財として20年~30年保てば良いのであればそれで良いのかもしれません。
もとより日本の建築物は100年~200年は充分保つように出来ていたのですが、現在では上記の通り、建築物が使い捨ての代表格となってしまい、日本の気候や風土に培われて育ってきた建築技術が忘れ去られようとしている現状に憂いを感じます。
イギリスで中古住宅を探そうとすると、古い建築物ほど値段が高いそうです。彼らは、古い物を現代の生活空間に合せながら、大事にしようという心構えが、日本人とは違うのかもしれません。
最近のテレビで、レトロの品物を扱った番組を目にします。バブル崩壊にともない、日本でも、古き良き物と心を大事にする感覚が芽生えてきているように思います。使い捨ての時代は終わりました。これからの建築物も、良い物を長く保たせることが必要だと思います。
1. 日本風土と建築物
1-1. 高温多湿な日本
1-2. 現代建築の憂い
2. 素材へのこだわり「木の話」
2-1. 日本の森
2-2. 木の癖
2-3. 古い材は宝もの
2-4. 木のサイクル
3. ご提案
3-1. 修復・再生の必要性
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